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月、電気通信審議会から「情報通信高度化中期計画」として答申された。衛星ネットワーク抜術に関しては西暦2000年までに、表1-5のようなプロジェクトに取り組むこととしている。

 

表1-5 西暦2000年までに取リ組むべき重点研究開発プロジェクト(衛星ネットワーク技術関係)

研究分野 テーマ 実現目標
固定通信

ギガビット級超高速衛星通信システム

2002年

衛星光通信システム

(22)

次世代VSATシステム(衛星による固定通信)

2001年
移動通信

パーソナル移動体衛星通信システム

(10)

グローバルマルチメディア移動体衛星通信システム

2002年
放送

移動体衛星デジタルマルチメディア放送システム

(12)
その他

通信・測位複合衛星システム

(1O)

次世代高速・広帯域衛星ネットワーク抜術

(6)

高度海上運航管理衛星システム

(4)

( )内は研究期間 (社)電気通信協会資科により作成

 

?A 周回衛星を用いた高度通信サービス

地上の基地局を利用する移動通信サービスは、山岳地帯や離島、海上などでは採算があわないため基地局が置かれず利用することができない。このような移動通信の空白地帯を解消するのが通信衛星を用いた移動通信サービスである。わが国ではNTTドコモが96年春から高度3万6,000kmに位置する静止衛星(N-STAR)により、国内専用の移動通信サービスを提供している。

一方、高度を1,000kmまで下げた低軌道衛星等などによる全世界をカバーする移動通信サービスの準備が米国等を中心にすすめられている。低軌道衛星は、電波出力が静止衛星の1,300分の1で済み伝送遅延も小さくパーソナル移動帯通信サービスに適している。反面、衛星のカバー範囲が狭まるので打ち上げる衛星の数は多くなる。中軌道衛星では、静止衛星と低軌道衛星の中間となる。表1-6と表1-7は衛星を用いた通信サービス計画の一部である。マルチメディア通信システムは地上側の通信設備を単純化し、家庭からメガビット級の高速通信を可能とするもので、インターネットを始めとするコンピュータネットワーク網構築の一環とされている。

衛星による通信システムは1997年以降相次いでサービスが開始されるが、システム間での激しい競争も予想される。こうしたサバイバル競争の陰には、戦略的重要

 

 

 

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